「正規軍のみの国防の危うさ」

自衛隊が果たして軍隊か?」という議論はさておき「自衛隊(正規軍)のみで国が守れるか?」と言われれば答えはNOである。
戦争=有事=ドンパチだけではない。
合法的なストによる生産力の低下、マスコミを使った世論分断、合法的な日本弱化の手段はごまんとある。
そして何よりも国内に潜伏する工作員や不満分子の所謂「非対称戦」は熾烈を極めるだろう。
しかしこれらは正規軍(自衛隊)が想定する正規戦の想定、シナリオにはなく、日本の国そのものが20世紀に現出した「非対称戦」という新たな形態の戦いに免疫を持たないのが現状である。
ヨーロッパの中小国に目を向ければ軍事は正規軍に併せ、民兵や州兵が併存し、お互いを補完しつつ、多機能、多形態の国防形態を取っていることが分かる。
現実的には「専守防衛」の国防指針を取りながら正規軍のみの不完全な防衛(元より完璧な守りなど有り得ないが)の補完をめざそうとしたもの。
それが「民間防衛 荒野の桔梗」の着想である。